この記事では、死亡者と遺族(年金請求者)が別居していた場合などに、遺族年金請求書や未支給年金請求書に添付する生計同一関係に関する申立書の書き方について、具体的な記入例を用いて説明をしています。

 

生計同一申立書は、遺族年金・未支給年金を請求する人の続柄によって、配偶者・子供用配偶者・子以外用の2種類があります。

 

ここで説明しているのは、遺族年金や未支給年金を請求する人が、死亡者の配偶者や子供以外だった場合に記入する書類の書き方です。

 

死亡者の配偶者や子供用の生計同一申立書の書き方は、別の記事で説明をしているので、そちらをご覧ください。

生計同一申立書(配偶者・子用)の書き方の記事を読む

 

Youtubeでも、生計同一申立書の書き方について、説明をしています。よかったら上の画像をクリックして、動画をご覧ください。

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生計同一関係に関する申立書とは

生計同一関係に関する申立書(以下、生計同一申立書)は、遺族年金(死亡一時金)や未支給年金を請求するときに、死亡者と遺族(年金請求者)が別居していた場合などに必要となる書類です。

 

遺族年金(死亡一時金)や未支給年金を支給してもらうには、死亡者と遺族(年金請求者)が死亡した時点で、生計を同じくしていたことが必要となります。

 

生計を同じくしているとはどのような状況かというと、生活費を共有しているような状況です。

 

死亡者と遺族(年金請求者)が同居していた場合は、生計を同じくしていたと判断されます。年金の審査をしている日本年金機構は、住民票の住所が同じだった場合は、生計を同じくしていたと承認してくれます。

 

死亡者と遺族(年金請求者)の住民票の住所が違う場合は、生計を同じくしていたかを住民票で確認することができないので、生計同一関係があったかを確認するために、年金請求書に生計同一申立書の添付が必要となります。

 

年金請求者が死亡者の配偶者や子供以外だった場合に、生計同一申立書が必要となるのは、次の2パターンです。

死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所だが、実際には同居していた場合

死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所で、実際に別居していた場合

 

 

遺族年金請求書や未支給年金請求書に添付する生計同一申立書は、遺族(年金請求者)の続柄によって、2種類あります。

 

遺族年金や未支給年金を死亡者の配偶者または子供が請求する場合は、上部に配偶者・子用(様式3)と記載された生計同一申立書を使用します。

 

遺族年金や未支給年金を死亡者の配偶者または子供以外の人が請求する場合は、上部に配偶者・以外用(様式4)と記載された生計同一申立書を使用します。

(この記事で書き方を説明しているのは、こちらの様式です。)

 

 

生計同一関係に関する申立書の入手方法

生計同一申立書は、年金事務所や市区町村役場で入手することができます。

(お近くの年金事務所に電話をすれば、生計同一申立書を郵送してくれます。)

 

パソコンとプリンターがあれば、日本年金機構のサイトからダウンロードすることもできます。

 

死亡者と遺族(年金請求者)が別住所だった場合は、第三者に証明をもらう必要があるので、年金事務所に請求書を提出に行く前に、事前に生計同一申立書を作成しておく必要があります。

 

死亡者と遺族(年金請求者)が別住所だった場合、生計同一申立書を作成せずに年金請求手続きに行くと、第三者証明がないので書類不備となり、年金請求書を受け付けてくれません。

 

なので、死亡者と遺族(年金請求者)が別住所だった場合は、年金請求書を提出に行く前に、生計同一申立書を作成してから、請求手続きに行くようにしましょう。

 

 

生計同一関係に関する申立書の書き方

では、生計同一申立の具体的な記入の仕方について、説明をしていきます。

 

生計同一申立書は黒のボールペンで記入しましょう。

(エンピツや消えるボールペンで記入すると、書類不備となります。)

 

記入を間違えた場合は、間違えた個所に二重線を引いて、訂正しましょう。訂正した箇所に、訂正印(ハンコ)を押す必要はありません。

 

まず、表面上部の記入の仕方について、説明をします。

 

 

(1)生計同一申立書を記入した日付を記入します。

 

 

(2)遺族年金や未支給年金を請求する人(遺族)の住所と名前を記入します。

 

 

(3)お亡くなりになった人(死亡者)の住所と名前を記入します。

 

 

(4)遺族(年金請求者)から見た死亡者の続柄を記入します。

【例】子、孫、祖父(祖母)、兄(姉・弟・妹)、叔父(叔母)、甥(姪)など

 

 

遺族(年金請求者)から見た死亡者の続柄であることに、注意しましょう。(逆を記入する人が、けっこういます。)

 

 

生計同一申立書の表面上部の書き方の説明は、これで終わりです。

 

ここまでの記入の仕方は、全員同じです。

 

ここから後の記入の仕方は、

死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所だが、実際には同居していた場合

死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所で、実際に別居していた場合

によって、記入する欄が違います。

 

①~②の該当する書き方のところを、ご覧ください。

 

 

①死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所だが、実際には同居していた場合の書き方

お亡くなりになった人と遺族(年金請求者)が、住民票の住所は別住所になっているが、実際には同じ家で同居していた場合の書き方について、説明をします。

 

 

別住所だが、実際には同居していた場合は、1欄第三者証明欄の記入が必要となります。

 

 

1に丸をして、死亡者と遺族(年金請求者)の住民票の住所が別になっていた理由を、具体的に記入します。

【例】自宅以外にも持ち家があるので、管理のため住民票の住所は別にしていたが、実際には〇〇〇〇(同居していた住所)で同居していた。 

【例】〇〇〇〇(年金請求者の名前)が結婚して別住所に住んでいたが、○○○〇(死亡者氏名)の介護が必要になったので、○○○〇(同居していた住所)で同居していた。

など

 

 

年金請求者(遺族)と死亡者の住民票上の住所が違う場合は、第三者証明欄に第三者に証明をもらうか、もしくは生計同一関係を証明する書類を添付する必要があります。

 

第三者に証明をもらう場合は、第三者証明欄に記入してもらった日付、証明者の住所、証明者の名前、証明者の電話番号を証明者に記入してもらいましょう。

証明してもらうのは、年金請求者(遺族)と死亡者の三親等内の親戚以外なら、だれに証明してもらってもかまいません。

(配偶者の親や兄弟姉妹など、三親等内の親戚に証明してもらうと、書類不備になってしまうので注意してください。)→戸籍でバレたりします。

 

入院していた病院の人、入所していた介護施設の人、民生委員、自治会長、会社の同僚、友達、知人、近所の人など、証明してくれる人に第三者証明欄を記入してもらいましょう。

(ちなみに、よっぽど疑わしいとかでなければ、証明してくれた人に確認することはありません。)

 

注意点

第三者証明欄の日付は、生計同一申立書の表面の申立年月日以降の日付でないと、書類不備となってしまうので注意が必要です。

申立年月日よりも証明年月日が前の日付だと、証明をもらった後で生計同一申立書を記入したことになってしまうので、書類不備になります。

証明年月日は、申立年月日と同じ日付か、申立年月日より後の日付でないといけないので、生計同一申立書を記入してから、第三者に証明をもらうようにしましょう。

注意点

死亡者が入院していた病院や、死亡者が入所していた介護施設など、法人に第三者証明をしてもらう場合は、証明してくれた人の名前と役職名の記入が必要となります。

 

法人印を押してもらった場合も、忘れずに役職名を記入してもらいましょう。

 

 

生計同一関係を証明する書類を添付する場合は、下記の物を生計同一申立書に添付しましょう。(日本年金機構のサイトより引用)

※添付する書類によっては、生計同一関係が認めてもらえない可能性があるので、第三者証明欄に証明をもらう方が無難です。

 

以上で、住民票上別住所だが、実際には同居していた場合の書き方の説明は、終わりです。

 

 

②死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所で、実際に別居していた場合の書き方

お亡くなりになった人と遺族(年金請求者)が、住民票の住所は別住所で、実際に別居していた場合の書き方について、説明をします。

 

 

別住所で実際に別居していた場合は、2欄第三者証明欄の記入が必要となります。

 

 

2欄には経済的な援助について、記入をします。

経済的な援助は生活費としてお金を渡している以外にも、家賃・水道光熱費・通信費などを(一部)負担していたり、衣服・日用品・食料などを買ってあげていたなどの現物給付も経済的な援助となります。

(お見舞いに行ったときに、日用品を買って持っていってあげていたとかでも、経済的な援助に該当します。)

 

ポイント!

どの程度の経済的な援助があれば、生計を同じくしたと認めてもらえるかというと、生活の基盤となる経済的な援助が行われていた場合に、生計を同じくしていたと、認めてもらえます。

 

生活の基盤となるとはどの程度かというと、経済的な援助がなければ生活に影響が生じる程度の金額です。

 

経済的援助の金額について、何円以上あれば生計同一関係が認められるというような、明確な金額の基準は定められていません。

 

経済的援助が少額でも、認定対象者の生活の基盤となる程度の金額であれば、生計を同じくしていたと認めてもらえます。

 

未支給年金を請求する場合は、死亡者や年金請求者(遺族)の収入を日本年金機構は把握していないので、経済的援助がよっぽどの少額でもなければ、死亡者と年金請求者(遺族)が別居していても、生計を同じくしていたと認めてもらえる可能性が高いです。

 

ただし、別居していた親子の子供の方が死亡して、親(父、母)が遺族厚生年金を請求するような場合は、年金請求者(遺族)の収入を日本年金機構は把握しているので、死亡した子供から別居していた親に対しての経済的援助が、親の生活の基盤となる程度ないと、生計を同じくしていたと認めてもらえません。

(死亡者の配偶者や子供以外の別居している親族が遺族厚生年金を請求する場合は、遺族年金請求者(父、母の両方)の収入も考慮して、生活の基盤となる程度の経済的な援助かを判断します。)

 

 

 

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的な援助の内容を、下記のピンクの枠で囲った箇所に記入します。

 

 

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的な援助が無かった場合は、『 なし 』に丸をします。

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的な援助が無かった場合は、この欄の記入はこれで終わりです。

 

次は、遺族(年金請求者)から死亡者への経済的な援助について記入する欄の書き方を、ご覧ください。

 

 

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的な援助があった場合は、『 あり 』に〇をします。

 

ありに丸をした場合は、経済的援助の回数経済的援助の金額および経済的援助の内容の記入が必要となります。

 

死亡者から遺族(年金請求者)に対して、経済的な援助がおおむね平均的に何回ぐらいあったかを記入します。

【例】月に5回ぐらい経済的な援助があった場合→月に丸をして5と記入します。

【例】年に6回ぐらい経済的な援助があった場合→年に丸をして6と記入します。

 

 

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的援助の金額が、おおむね平均的にどれぐらいあったかを記入します。

【例】月に50,000円ぐらい経済的な援助があった場合→月に丸をして50,000円と記入します。

【例】年に300,000円ぐらい経済的な援助があった場合→年に丸をして300,000円と記入します。

など

 

 

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的援助の内容を記入します。

【例】〇〇〇〇(死亡した人の名前)が〇〇〇〇(遺族の名前)に、生活費を月に約〇万円渡していた。

【例】〇〇〇〇(死亡した人の名前)が〇〇〇〇(遺族の名前)の家賃などを、(一部)負担していた。

など

 

 

 

遺族(年金請求者)から死亡者への経済的な援助の内容を、下記のピンクの枠で囲った箇所に記入します。

 

 

遺族(年金請求者)から死亡者への経済的な援助が無かった場合は、『 なし 』に〇をします。

遺族(年金請求者)から死亡者への経済的な援助が無かった場合は、この欄の記入はこれで終わりです。

 

 

遺族(年金請求者)から死亡者への経済的な援助があった場合は、『 あり 』に〇をします。

 

ありに丸をした場合は、経済的援助の回数経済的援助の金額および経済的援助の内容の記入が必要となります。

 

遺族(年金請求者)から死亡者に対して、経済的な援助がおおむね平均的に何回ぐらいあったかを記入します。

【例】月に5回ぐらい経済的な援助をしていた場合→月に丸をして5と記入します。

【例】年に6回ぐらい経済的な援助をしていた場合→年に丸をして6と記入します。

 

 

死亡者から遺族(年金請求者)への経済的援助の金額が、おおむね平均的にどれぐらいあったかを記入します。

【例】月に50,000円ぐらい経済的な援助があった場合→月に丸をして50,000円と記入します。

【例】年に300,000円ぐらい経済的な援助があった場合→年に丸をして300,000円と記入します。

など

 

 

遺族(年金請求者)から死亡者への経済的援助の内容を記入します。

【例】〇〇〇〇(死亡した人の名前)の病院の治療費(介護施設の入所費)を(一部)負担していた。

【例】〇〇〇〇(死亡した人の名前)の家賃(水道光熱費、通信費など)を(一部)負担していた。

【例】〇〇〇〇(死亡した人の名前)に日用品(食料、衣服など)を購入して、渡していた。

など

 

 

 

注意点

遺族年金を請求する場合は、死亡者と遺族(遺族年金請求者)が住民票住民票上別住所となっていて、実際に別居していた人は、②(亡くなった方)から①(請求される方)に対する経済的援助欄で、『あり』に丸をしていないと遺族年金が請求できなくなります。

 

 

死亡者と遺族(遺族年金年金請求者)が住民票上の住所が違っていて、実際に別居していた場合は死亡者から遺族(年金請求者)へ経済的な援助がないと、遺族年金が受給できないので、亡くなった方から請求される方に対する経済的援助『あり』に丸がある必要があります。

注意点

未支給年金を請求する場合は、死亡者と遺族(未支給年金請求者)が住民票上別住所となっていて、実際に別居していた人は、②(亡くなった方)から①(請求される方)に対する経済的援助欄と、②(請求される方)から①(亡くなった方)に対する経済的援助欄の両方とも、『なし』に丸ををすると未支給年金が請求できなくなります。

 

 

未支給年金を請求する場合で、死亡者と遺族(年金請求者)が住民票上別住所となっていて、実際に別居していた人は、②(亡くなった方)から①(請求される方)に対する経済的援助欄に『あり』に丸があるか、

 

 

もしくは、①(請求される方)から②(亡くなった方)に対する経済的援助欄にに『あり』に丸をしている必要があります。

(未支給年金を請求する場合は、こちらのパターンが多いです。)

 

 

年金請求者(遺族)と死亡者の住民票上の住所が違う場合は、第三者証明欄に第三者に証明をもらうか、もしくは生計同一関係を証明する書類を添付する必要があります。

 

第三者に証明をもらう場合は、第三者証明欄に記入してもらった日付、証明者の住所、証明者の名前、証明者の電話番号を証明者に記入してもらいましょう。

証明してもらうのは、年金請求者(遺族)と死亡者の三親等内の親戚以外なら、だれに証明してもらってもかまいません。

(配偶者の親や兄弟姉妹など、三親等内の親戚に証明してもらうと、書類不備になってしまうので注意してください。)→戸籍でバレたりします。

 

入院していた病院の人、入所していた介護施設の人、民生委員、自治会長、会社の同僚、友達、知人、近所の人など、証明してくれる人に第三者証明欄を記入してもらいましょう。

(ちなみに、よっぽど疑わしいとかでなければ、証明してくれた人に確認することはありません。)

 

注意点

第三者証明欄の日付は、生計同一申立書の表面の申立年月日以降の日付でないと、書類不備となってしまうので注意が必要です。

申立年月日よりも証明年月日が前の日付だと、証明をもらった後で生計同一申立書を記入したことになってしまうので、書類不備になります。

 

証明年月日は、申立年月日と同じ日付か、申立年月日より後の日付でないといけないので、生計同一申立書を記入してから、第三者に証明をもらうようにしましょう。

注意点

死亡者が入院していた病院や、死亡者が入所していた介護施設など、法人に第三者証明をしてもらう場合は、証明してくれた人の名前と役職名の記入が必要となります。

法人印を押してもらった場合も、忘れずに役職名を記入してもらいましょう。

 

 

生計同一関係を証明する書類を添付する場合は、下記の物を生計同一申立書に添付しましょう。(日本年金機構のサイトより引用)

※添付する書類によっては、生計同一関係が認めてもらえない可能性があるので、第三者証明欄に証明をもらう方が無難です。

 

以上で、住民票上別住所になっていて、実際に別居していた場合の書き方の説明は、終わりです。

 

 

おわりに

以上で、遺族年金請求書・未支給年金請求書に添付する生計同一関係に関する申立書(配偶者・子用)の書き方の説明は終わりです。お疲れ様でした。

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